ワイン造り
WINEMAKING
栽培・収穫
ギガルのブドウ畑
リヨン南方にあるアンピュイは、コート・ロティというアペラシオンの中心地です。ここでは、ローヌ川沿いの傾斜の急な痩せた土地に古代人が段々畑を作ってブドウを栽培していました。
そしてギガル一族の情熱と忍耐によって、ローヌ渓谷最大のアペラシオンが生まれたのです。
現在、ギガルには、コート・ロティ、コンドリュー、エルミタージュ、シャトーヌフ・デュ・パプ、サン・ジョセフ、クローズ・エルミタージュなど、数多くの豊饒なブドウ畑があります。
高級ワインを生産する肥沃なブドウ畑がギガルの卓越性を示しています。
地球にやさしいブドウ栽培と
土壌生態系の尊重
ギガルの厳しい基準の主要な目的は、土壌生態系を全面的に尊重してブドウ畑を守ることです。段々畑の開墾整備から、ブドウの木の剪定や手入れまで、ブドウ栽培の各段階は、自然と調和する形で実行され、環境に配慮して育てています。それはブドウ畑で働く人々や、彼らが生産するワインにそのまま反映されています。
AOCについて
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1
コート・ロティ
2400年前に古代ローマ人によって斜面に植えられたと伝わる、この豊饒なブドウ畑は、レイナール川上流のコート・ブリュヌと下流のコート・ブロンドで構成されています。コート・ブリュヌでは、ほぼ全域でシラーのみが栽培され、力強く濃厚なワインが生まれます。コート・ブロンドは、ブレンドする事でシラーを引き立てる少量のヴィオニエも栽培され、そのお陰でワインはより繊細な味わいになります。このアペラシオンとシャトー・ダンピュイにまつわる素敵な伝説があります。「この地の領主には娘が二人いました。一人は闇夜のような黒髪で、もう一人は麦畑のような金髪でした。娘たちが結婚するとき、領主は最も豊饒な丘を二人の娘に贈りました。こうしてコート・ブリュヌとコート・ブロンドが今日まで受け継がれているのです。」
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2
コンドリュー
ローヌ川に向かって急傾斜する段々畑では、ヴィオニエのみが栽培されています。近代初頭にギリシャ人が持ち込んだブドウの希少種が花崗岩土壌と調和し、この品種本来の複雑な性質から唯一無比な白ワインが生まれました。黄金色の色調をもち、力強く繊細な味わいからは、心地よいアプリコットと白桃が感じられます。
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3
サン・ジョゼフ
王家の食卓で愛されたこの芳醇なワインの名前は、16世紀のトゥルノンのイエズス会修道士に由来しています。赤ワインはシラー、白ワインはマルサンヌとルーサンヌで造られます。これらの品種は、南向きや南東向きの傾斜の急な花崗岩土壌の畑で育ち、エレガントで味わい深いワインを生み出します。
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4
エルミタージュ
贖罪のために祈りとブドウ栽培に献身した13世紀の隠遁者に因んで名づけられた、古くから格式あるアペラシオンです。赤ワインはシラー、白ワインはマルサンヌとルーサンヌで造られます。芳醇で力強いこのワインは香り高く、ロシア宮廷やヨーロッパの王侯貴族にも愛されました。
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5
クローズ・エルミタージュ
北部ローヌの代表的なワインであるクローズ・エルミタージュは、水はけがよく小石混じりの温かい土壌の恩恵を受けています。広大なアペラシオンで、ブドウの一部は斜面に植えられています。赤ワインはシラー、白ワインはマルサンヌとルーサンヌで造られます。赤ワインは深いルビー色で、旨味が口中を満たし、完璧なバランスを保っています。白ワインは辛口で、フローラルな香りが特徴です。
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6
シャトーヌフ・デュ・パプ
この地のブドウ畑には地中海への強烈なミストラルが吹き抜け、土壌に含まれる石灰質の丸い小石はプロヴァンスの太陽からの熱を吸収して温められ、紛れもない南ローヌの風味を醸し出しています。これら南ローヌのワインは、シャトーヌフ・デュ・パプというアペラシオンで主要品種グルナッシュを中心に13の品種を使用する事が許され、それらが絶妙にブレンドされています。柔らかく、力強いタンニンを含み、芳醇で強烈な個性を特徴としています。
醸造・熟成
ワイン造りの技術を継承する
ワイン造りは、最高の品質を求めて先代たちが磨いた技術を完璧に受け継いでいく必要があり、また醸造工程の各段階においても常に細心の注意と細やかな配慮が求められます。偉大なワイン造りに最も重要なのは、職人の技術と最新の醸造設備です。
これらの2つが、品種の個性と、産地であるテロワール本来の特徴を引き出すのです。
ローヌ渓谷の上質ワインを熟成する
静寂とひんやりとした暗闇に包まれたセラーに並んだ樽は、貴重なワインを年と共に熟成させていきます。
しかし、ここでは、他にないほど活発な活動が展開されており、それはまるでこの静けさを欺くかのようです。
ここではオーク樽が主役です。つくり手が見守る中、ワインがゆっくりと、そして一貫性をもって進化し、熟成するための繊細なやりとりは、この樽が一手に引き受けているのです。
さらに樽は、オークやバニラ、上質なタンニンの繊細なニュアンスによって、ブドウとテロワールから生み出された素材の素晴らしさをさらに高めます。
ワインのバランスと原産地とヴィンテージを尊重し、過度に主張することなく、ワイン本来の姿を引き出します。ワインは、樽の中で日ごとにより洗練され、表情豊かに、力強くなります。そして瓶詰めに最適の時が来るまで辛抱強く待ち続けるのです。
極上のワインを造る
ギガルのワインは、由緒あるセラーの中心に位置する専用のテイスティングルームで、手作業で仕上げられます。静寂に包まれた神聖な場所で、父と息子が貴重なワインをブレンドする日々のルーティンが繰り返されます。アロマ、ストラクチャー、フレーバー。それぞれのニュアンスを詳細に吟味します。
ワインが卓越性を持ち、深い感動を呼び起こすようになるために、何か月にもわたるテイスティングが必要なのです。こうした自然の錬金術によって、広大なローヌの大地から生まれるワインがもつバランスと一貫した品質が、ヴィンテージごとに保証されているのです。
樽造り
職人技の樽造り
2003年の夏、ワイン技術や学識の向上に努めるギガルは、樽作りという全く新しい試みをスタートさせました。
15~17世紀に建てられたシャトー・ダンピュイの別棟では、熟練した職人により、偉大なドメーヌワインを熟成させるための伝統的な樽の製造し、組み立て、焼きを入れていきます。
ギガルは、職人技と先祖代々の学識によってこの技術を習得し、ドメーヌワインは、フランスで最高の森林から採取された木目の細かいオーク樽で熟成されます。
最上級のワインは必ず新しいオーク樽で熟成させるので、年間必要量を満たすために、毎年およそ800個の新樽が作られます。 トップクラスのワインは、瓶詰めまでに3年半もの間熟成させることがあり、こうした伝統的な手法によって、ギガルは唯一無二の地位を確立しているのです。